Reportレポート
香港を含む中国国内のチームが参加する大会であるChina Capital Cupのイベントレポートです!
審判員|国際大会イベントレポート
【正式イベント名】 China Capital Cup (in Beijing)
【日程】2019年6月7、8日
【開催場所】北京
【大会参加チーム、国】男女各4チーム
【実際の大会規模】60×40Mのグランド3面。男子、女子、ジュニア 女子審判員2名
大会参加をした都留 わかな審判員よりコメント
(写真左から:日本の喜嶋さん、中国のジャンハオさん、日本の都留さん、ベトナム在住で現在も国際大会等で審判活動を継続している日本出身の近藤雄亮さん、オーストラリアからのケビンさん(御年
その時はふいにやってきた
「今回の募集は、早い者勝ちですよ!」そんな天使(悪魔?)のささやきから始まったChina Capital Cup への誘い…。長い休暇が明けたばかりのタイミングではあったが、一日休暇を取得すれば大会参加が可能という美味しい情報が飛び込んできた。そして、開催地は北京!未知の世界。近くて遠い国?中国の首都!
すんごい魅力的!!!!でも…と逡巡の数日。でもなぁ…自分じゃなかなか行かないし…ちょっと休暇をプラスしたら観光とかもできちゃうしなぁ・・・行っちゃおうかなぁ…。
取り敢えず、自分の仕事の状況を確認し、上司の承認を獲得し、正式なエントリー申請をした。大会側に確認するのに少し時間がかかるとの返答。参加できるのかやきもきしたが、無事に、参加が確定し、そのあとは、中国の大会運営のメンバーとの直接の連絡開始。一緒に参加する相方も寸前に決まり心強い。
Google翻訳先生に助けてもらいながらなんとか状況が見えてきて、飛行機とホテルは無事に確保できた。「パスポートとチケットとホテルさえ確保できれば、あとはどうとでもなるさ」という気持ちでその日を迎えた。
楽しんだもの勝ち!
到着時点からちょっとした問題はあったものの無事にホテルに到着し、無事に中国のボードメンバー数人にご挨拶。そして、「明日は、ここからまっすぐ行けばグランドだから」の一言で解散し、当日の朝はやってきた。
ホテルを出てからの方角はわかったけど・・・いやいや、まっすぐ行けば、8車線の巨大な道路を渡るしかないですけど…。でも右左どっちに行けばいいの???さすが中国、普通の道でもめちゃめちゃ広い!ここでもGoogleを活用するもよくわからない!!しかし、スティックを持った集団と出会えて、無事に会場入りができた。初めての場所に行くときに迷ったら、クロスを持った人を探すのは、海外でも国内でも変わらない手段。
受付後、現地のインターナショナルスクールの中にあるグランドへ!
9時半ドローだけど、始まる気配なし。そして、現地の審判員がどこにいるかとキョロキョロするもゼブラジャージを着た人物は現れず・・・えっと、2人で試合を吹くのかな・・・ 2審って久しぶりですけど・・・ ま、なんとかするしかないな。
参加しているのは、中国のU19に参加するメンバーが多数いるチームムーラン。
アメリカ人の経験者を多く要するチーム上海、チーム香港そしてチーム北京の4チーム。大学生、社会人が中心のチームのようで、総当たりで試合が行われた。レベルもバラバラ、知識もバラバラ、でも真剣に、楽しくプレーしている。
しかし、グランドサイスがミニサイズとはいえ、30度越え日陰なしのグランドで2名の審判員は奮闘した。(一人はワールドカップにも参加する日本の中のトップ審判員、もう一人は人生の折り返し地点をUターン目前のアラフィフ審判員。)中国のラクロスはどんな感じ?どんなプレーヤーがいるの?と探りつつ、楽しい!面白い!懐かしい!といったいろんな感情が沸いてくる。
2日目は、順位を決める試合になるから、雰囲気がちょっと変わって、真剣モードになってきた。そして、審判から新ルールで試合を行うことを提案し、その点も初日とは違うモードとなった。審判にもいろいろと言ってくる。ひるまない、きちんと伝えるのが一つの課題として持って行ったけど、それなりにクリアできたはず。
よく、英語ができないからと尻込みする人がいるけれど、大丈夫!ルールのワードは世界共通!そして、ゼスチャーも同じだから問題なし!質問された時にはちょっと緊張するかもしれないけれど、プレーに関してのことだし、仲間と助け合えばこれもクリアできる。
私が海外に審判しに行くときには、ほんのちょっと日本にいる時よりは強めの気持ちに切り替えるぐらい。
いつでも扉は開けられる。
今回は特に、まだ歴史が始まったばかりに近い中国のラクロスに触れることができたことが大きかった。30年前に日本にラクロスが入ってきて、先人たちが試行錯誤して普及してきたその時の感じがそこにはあった。そしても何よりも人種を超えて、楽しんでいる場がそこにはあった。
閉会式では、「Lacrosse makes Friends!」が叫ばれ、皆が一つの場所にガッと集まる感じ。そんな光景を見ることができて、とっても嬉しかった。
そう、年齢も国も性別も関係なく友人を作ることができる場が、ラクロスを通じてどんどん広がっていっている。そんな感じ。
そして、私たちを海外から来た特別な存在として迎い入れるのではなく、現場に来た普通の審判員として接してもらえたこともより現場に溶け込むことができてよかったと思う。今回は残念ながら、現地の審判員は男子競技に1名のみ、女子競技では今回は参加がなかったため、その面での交流ができなかった。審判員がいないと試合は成立しない。自分たちの力で発展していくための彼らの課題の一つであると考えられる。今後、中国でプレーヤーの数が増えるだけではなく、審判員の活動人数も増えて、お互いの国で交流できるようになることに期待したい。
海外の大会に参加するには、とにかく、難しく考えず、まずはなんでも「やっちゃえっ!行っちゃえ!」と飛び込んでしまうことをお勧めする。仕事が、学校が、家庭が・・・と個人個人のハードルは当然あるけれども、それは気持ち次第。行ってみたいと思えばなんとか調整できるもの。もちろん、私も職場と家族の理解があるから、参加できている。
初めての経験が怖いって気持ちもわからなくはないけど、なんとかなるってことも経験欲しい。
難しく考えず、まずはチャンスを逃さずに飛び込んでみて欲しい。ほんのちょっとの思い切りさえあれば、扉は開くものだから!ぜひ、違う国で友人を作ったり、得難い体験をして欲しい。
次は、上海、シンガポール、香港… そのあたりを狙っているのだけれど、誰か一緒に行きませんか?
<付録>
▶お金事情
・渡航費:5月に見積もりを取った時点で8万円程度。北京はあまり値段の変動がないとのことだが、ルートによってはもう少し安く抑えられると思われる。今回私は、マイレージを使った。
・宿泊費:グラン傍の4つ星ホテル ツインで1泊部屋代が8000円程度。(大会開催期間の2泊分は大会負担)
・食費:朝はホテルのバイキング1500円程度。昼はケータリングでバーガーぽいものが1000円程度。夜は、高くても3000円程度。観光した1日の豪華なランチの時でも(北京ダックを含む)5人でシェアして1人3000円程度。現地のコンビニとかで何かしら購入すればもっと節約できる感じ。
・移動:タクシー、地下鉄 日本よりもはるかに安価
以上が、だいたいかかったお金。ちょっと贅沢したので、2万円分の現地通貨ではちょっと不足した程度。
▶通信事情
中国の人はネット制限されているので、Googleもショートメールも使えないみたいで、その代わりに活躍するのがWeChat。しかし、私たちは、ブロックされて結局、中国滞在中は使えなかった。これが使えないと、ほぼ連絡の手段が絶たれる。
▶プレーヤー事情
中国は、ほかのアジアの地域と同じように、勉強(学歴)が大事。今回の大会では、U13のチームと大学生以上の年齢のプレーヤーのチームが参加していた。中学、高校ではラクロスはプレーされていないのかを聞いたら、中学と高校は勉強をしっかりして、大学に受かるまでは親がスポーツをすることを許可しないとか。。。大学までの一貫教育校がないため、こういった空洞化がおきるらしい。
(写真左より:喜嶋志穂子審判員、都留わかな審判員、I.Ariel選手)
All photo :本人提供
日本ラクロス協会広報部 LACROSSE MAGAZINE編集部