Reportレポート
2年に1回開催されるアジア・太平洋地区の国際大会であるAPLUアジアパシフィック選手権大会(通称:ASPAC) 。今回は審判員としてASPACに参加した日本審判員より参加の感想をご紹介します。
【正式イベント名】第9回APLUアジアパシフィック選手権大会(通称:ASPAC)
【日程】6/21~29の9日間。6/21:開会式、6/22~29:予選リーグ及び決勝トーナメント
【開催場所】韓国・慶州市 慶州、サッカー公園
【参加者】
男子:日本、韓国、中国、香港、チャイニーズタイペイ、オーストラリア
女子:日本、韓国、中国、香港、チャイニーズタイペイ、ニュージーランド
審判:(男子)オーストラリア、カナダ、香港、日本、韓国、ニュージーランド
(女子)オーストラリア、カナダ、香港、日本、ニュージーランド、韓国
【大会規模】大会は、慶州サッカー公園内のサッカーフィールド2面(男子1面、女子1面)を使い試合を実施。男子は、6/22~26に全6チーム計15試合(1日3試合)の予選リーグ、6/28~29の2日間で決勝トーナメント5試合を実施。(27日は休養日)
女子は、6/22~28に全6チーム計19試合(1日2or3試合)の予選リーグ、6/29に順位決定戦3試合を実施。
選手、スタッフ、審判、大会関係者は全員ソラボル大学(Sorabol College)の学生寮に宿泊していた。
各チームの人数は、男子チームは約25~35人、女子チームは20~30人であった。
審判員は上記の国々から参加しており、男子はReferee12人、Assessor9人、女子はUmpire10人、Assessor5人であった。
観客は、1試合20~50人程度(男子決勝は残りの全チームが観戦していたため200人程度はいた)。選手等の大会関係者以外では5~30人程度の観客数であった。
選手等の大会関係者を除くと、観客数で目立っていたのは、やはり開催国である韓国であった。開催国なだけあり、選手の家族や友人も多数来ていた。また、オーストラリアや日本もある程度の観客が来ていた。
なお、大会期間中、6/21~25は晴れていて日差しも強かったが、6/26から雨季(日本の梅雨)に入り、雨の時間が多くなる天気となった。(6/29の男子決勝の時は大雨であった)
Wonki Park(韓国)、David Campbell(オーストラリア)、中筋源太(日本)、Dennis Mulroney(オーストラリア)
参加審判員コメント
Seok Jin Hwang(韓国)、Eric Chua(香港)、Shane Abott(オーストラリア)、John Brockelbank(ニュージーランド)、池下直哉(日本)
私にとって今回ののASPAC派遣は、2013年大会@北京以来、2度目の参加派遣でした。当時は、公認審判員の資格を取って2年目、かつ、2級審判員になりたてで、興味本位で立候補して参加された大会でした。当時の大会も自分の中では有意義なものでしたが、今大会は6年前とは違い、より有意義な大会であったと感じています。
その理由の1つ目は、大会レベルが非常に上がっていることです。6年前であれば、日本・オーストラリアとそれ以外のチームで競技レベルの差がそれなりにありましたが、今大会ではその差がかなり縮まっていて、観客として観戦し、面白い試合が増えていたように思います。
一方で、審判員の視点から見ると、選手個々人のレベル、チーム全体のレベルが上がり、コンタクトプレーを中心に難しい試合が多かったように思います。
2つ目の理由は、アセッサーの豊富さです。6年前は5人でフィールド審判(HR、R1、R2)のみのアセスメントであったのに対し、今回はベンチ(CBO、BM)もアセスメントしていただけました。端から見ると、フィールドの3人の審判に注目が行きがちですが、ベンチ周りをコントロールするCBOやBMも、良い試合を作り上げていくうえで、非常に重要なポジションです。そのようなCBOやBMにもアセスメントしていただくことで、良いサイクルでレベルアップ出来たと感じています。そして、3つ目はやはり海外の審判員と交流を深めることが出来たことです。6年前の大会で初めて海外の審判員と試合に入らせていただき、戸惑っていた時によく声をかけてくれたオーストラリアの審判員とも再会でき、また、初めて会う方々とも交流を深めることができ、自らの審判ワールドがさらに広がりました。
昨年10月末に1級に昇級したばかりで、仕事も忙しく派遣審判員に立候補するか悩んでいましたが、参加立候補し、本当に良かったと思っています。
ここまでの感想は堅苦しい内容が多いですが、審判員をされている方、あるいは公認審判員の資格を持っていない方でもよいので、少しでも海外の大会に興味を持っていただければ幸いです。審判をするのは楽しいけど、海外に行くのはちょっと…、と思っている方は、まずは一歩踏み出して、海外の大会に参加してみることをお勧めします!よくわからず戸惑ってしまうことはあっても心配することは全くありません!意外と何とかなるものです。
ASPAC以外にも海外の大会は多くあります。まずは、地区次長や経験者などに相談してみて、是非とも参加していただければと思います。
最後になりましたが、今大会を派遣いただくにあたり、審判部の皆様を始めとして、ご支援ご協力いただいた皆様に深く感謝いたします。私事ながら、4月に転勤になり仕事の調整も難しかった中で、長期休暇を認めていただき、参加を後押ししてくださった会社関係の方には特に感謝しています。ありがとうございました。
Text by 審判部 池下直哉
Photo by 審判部 佐々木奈摘
日本ラクロス協会広報部 LACROSSE MAGAZINE編集部