Columnコラム
こんにちは。
東海地区web担当の加藤紅葉です。
2月26日に愛・地球博記念公園多目的球技場にて行われた東海シクシズ2023-Totem-に、合同チームのゴーリーとして参加してきました。普段は学生連盟役員として運営に携わることが多いですが、今回はプレイヤーとして参加したので、プレイヤーからの目線と観客からの目線で見て感じてきたことを率直に書いてみます。
※6人制ラクロス「シクシズ」についてはこちらをご覧ください。
日本ラクロス協会シクシズ特設ページ https://sixes.lacrosse.gr.jp/
特設ページ内 「What is SIXES ?」 https://sixes.lacrosse.gr.jp/?page_id=109
初めに私が驚いたのは、まだシクシズの大会が認知されていないこと。後輩が友達のラクロッサーにシクシズに参加すると伝えたら「なにそれ」と告げられたそうで、まずは知名度上げから始めていく必要がありそう。と、そんなことを言いつつもTotemもまだ2回目と歴史は浅く、というよりほぼ無いに等しく、スマホのカメラロールを5回スクロールしたら確認できそうなほどの短い歴史です。
私は、自慢ではないですが、初回からしっかり参加をしているので、いわば古参です。初期メンです。いつかシクシズがどんどん発展していって、大きな大会になっていったら、第一回大会出場者リストとか作られないかなぁ、しっかり名前が刻まれないかぁ、と思ったり。うん、悪くない。なんならこれが初のシクシズ記事?私その執筆者?そう考えてもおかしくないほど、今この競技の中核に携われていることに少し胸が躍っているので、文末に音符をおまけします♪
シクシズをプレーしてみての感想を簡単に言うと「せわしない」です。通常の10人制ラクロスとシクシズの最大の違いとも言えるのが、得点後の試合再開の方法で、ドローをせずにゴーリーのクリアから試合が再開されます。ドローの時、静かに試合が始まるあの空気が私は好きです。野球やソフトボールでピッチャーが投げる前の、あのひりついた空気に似ていませんか?
冒頭でも軽く触れましたが私はゴーリーです。つまりコート上の選手の中で、ドローから一番離れたところにいます。ドローの時は、そんな場所から誰にも聞こえない声量で、自分を奮い立たせる言葉や意識しなきゃいけないこと、ことわざなんかをぶつぶつ呟いています。周りに伝える気もないし、そもそも伝わったところで、という内容です。気になる方はドローの時センターサークルに目をやるのではなく私を見てみてください、多分口がめちゃくちゃ動いています。
そんな私にとってちょっぴり思い入れのあるドローですが、シクシズはやりません、ほとんど。あるのは各クウォーターの始まりの各一回ずつのみ。そんな「静」の時間が極限まで省かれた競技シクシズ、言うまでもなくスピード感がある競技です。点を決めても喜ぶ隙もなく、すぐゴーリーがボールを取り出して試合が再開します。入れられたチーム目線からすると、点決めたらどんだけでも喜んでもらってもいいんですけどね。むしろみんなで胴上げでもしておいてください。その間に我々のチームは丁寧にボールを運び、ディフェンスのいない中かっこいいシュートを決めさせて頂きますので。
上述の通り、シクシズは点を決められたらゴールからボールを取り出してそのまま試合を再開させます。いつもの10人制ラクロスなら、シュートを決められて、「ここをこうすべきだったな〜」というひとり反省会や、ディフェンスのみんなとプチ反省会を行って次に備えるものですが、そんなことしていられません。ゴーリーは、シュートを決められたらすぐみんなから背を向けゴールの中からボールを出しクリアを始めなければなりません。と、ここで観客の皆様に注目ポイントをお伝えさせて頂きます。ボールがゴールの奥まで入ってしまい、取り出すのに時間がかかって焦っているゴーリーをたまに見ることができます。外から見てる分にはかなり面白いです。本人は笑えないし焦っていますが、本気でプレーして本気で焦っているからこそ生まれてしまう面白さがあります。本人には笑ってしまってすみませんという気持ちはありますが。。。私も笑われる側なのでお許しを。。。
スポーツの醍醐味といえば点が入ることやその過程にあると思うのですが、そこだけに集中して楽しむのではなく、プレーが一区切りついた際の「間」や「空気感」にも着目してみると新たな面白さが見えてくるのではないでしょうか。シクシズはまだ浸透していないかもしれないけれど、選手としても、観客としても、盛り上がれるスポーツです。今後、第一回大会出場者リストが作られることを期待しながら、シクシズの歴史に携わっていきたいです。
text:名古屋外国語大学4年 加藤紅葉
photo:日本ラクロス協会広報部 小保方智行