Columnコラム

【日清食品presents第25回ラクロス全日本クラブ選手権大会1回戦特集】~各支部のクラブチームってどんなチーム?(北海道支部編)~

 


2024年11月9日(土)・10日(日)に行われる「日清食品presents第25回ラクロス全日本クラブ選手権大会」の第1回戦に出場するのは、北海道、東海、関西、中四国・九州の4支部の優勝チームです。このコーナーでは出場チームの見所をお伝えします。


第1回 北海道支部からはNorth AXIS

【North AXIS試合情報】

  • 日時:2024年11月10日(日) 11:00~
  • 場所:テラスポ鶴舞(名古屋会場)
  • 対戦相手:OPEC VORTEX(東海支部1位)

日清食品presents第25回ラクロス全日本クラブ選手権大会 特設サイト

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北海道支部からは、North AXIS(ノースアクシス)が「日清食品presents第25回ラクロス全日本クラブ選手権大会」に出場します。どんなチームか、見所はどこかNorth AXISの#21土田周人さんにお聞きしました。


「初勝利」という瞬間を見てほしい

North AXISが全日本クラブ選手権大会(以下、クラ選)に出場するのは4年連続4回目。対戦相手も4年連続で東海のチームです。
過去の戦績は「ラクロス全日本クラブ選手権大会 歴代出場チーム」(※ 以下、戦績表)の通り3年連続1回戦で敗退しています。
North AXIS#21土田周人さんは、だからこそ「東海に勝つところ、北海道初の1回戦突破の瞬間を見てほしい」と見所を語ります。

【ラクロス全日本クラブ選手権大会 歴代出場チーム 北海道支部(男子)】

※2020年:新型コロナ感染症の感染対策のためにクラブ選手権・リーグ戦とも実施せず。
※「1回戦戦績」欄の得点表記は、北海道支部が左。クラブ選手権のHOME・AWAYではない。
※2012年~2018年は日本クラブチームラクロス連盟未加盟であったため、リーグ戦のみが行われていた。
※2019年に北海道が支部化。
※クラブ選手権への参加は2021年から。
※North AXIS 4大会連続4回目

道内にいながら東海チームを知る

初のクラ選1回戦突破に向けて、何か策は練ってきたのでしょうか。

「North AXISは、北海道のクラブチームのなかで唯一道外を知る(=全国大会へ出場したことがある)チームです。チームスローガンである『Lead(リード)』という言葉にあるように、道内のチームをリードすべく、大学チーム・クラブチームとも練習をする機会を増やしてきました」。

では、対戦相手である東海チームを知るために遠征などはしてきたのでしょうか。
遠征はしていないながらも、東海を知ることができるという北海道と東海の意外なつながりを教えてもらいました。

土田さんによると「東海のクラブチームには北海道出身者が多い」そうなのです。理由は、北海道出身者が東海の企業へ就職するから。彼らが東海のクラブチームへ入るので、学生時代に一緒にプレーしていた選手から東海の感触を知ることができるというのです。

就職や転勤という社会人ならではの動きが、遠征のような効果を発揮しているとかいないとか。

冬の北海道、練習どうしているの?

北海道という土地柄、冬場は積雪により外で練習をすることができません。練習はどうしていたのでしょうか。

「長ければ4月まで外で練習ができないので、その間は室内で練習をします。大学の体育館を使って練習をしていたときがありますが、コロナ禍で社会人(在校生以外)の使用ができなくなったときは、フットサル場を借りていました。どちらにせよ、狭いコートなので2:2か3:3が限度です。細かな動きを集中的に練習できるので、そこをメリットと考えて、10:10に落とし込むようにしていました」(土田さん)。

また室内競技である「インドアラクロス」や「BOXラクロス」もするそうです。

North AXISの見所は、室内練習で培った細やかなパス回しとそこから生まれるシュートではないでしょうか。是非、North AXISのプレーに注目してみてください。

北海道クラブチームリーグ戦決勝戦での土田周人選手(2024年9月28日撮影)

道内ベテラン選手のプレーに注目

土田さんは、移籍しながら14年間クラブチームでラクロスを続けてきました。社会人になってもラクロスを続けてきた動機はどこにあるでしょうか。

「大学4年間でラクロスの楽しさというものを満喫しきれなかったから社会人になってもラクロスを続けてきました。そして、いまも満喫しきれないから続けています」。

36歳の現在も、まだまだラクロスのおもしろさを味わい尽くせていないという土田さん。母校・北海道大学のコーチを経験して、「教えるおもしろさ」まで加わり、ますますラクロス沼から抜けられないと言います。

そんな土田さんが、「おもしろい」と思うチームメイトは「#4杉村基さん」です。

杉村さんは、土田さんの一つ上でチーム内では最年長。北海道地区強化部次長で、道内だけではなく全国でも顔が広い人物です。

上の戦績表(※)にある「支部リーグ戦」で優勝しているチームには必ず杉村さんがいる(杉村さんが移籍すると、そのチームが優勝する)という伝説のような実力も持ち合わせています。

プレー面でも精神面でもNorth AXISを引っ張る30代プレーヤー・杉村さんと土田さんのプレーにも注目してみてください。

杉浦基選手(2024年7月7日の開幕戦にて)

北海道支部の現状

ここからは、North AXISが所属する北海道支部がどういったリーグ戦状況なのか、日本クラブチームラクロス連盟副本部長の土田周人さんにお話を伺います。

「あれ?」と思われた方、そうです。さきほどまでNorth AXISの見所をお聞きしていた#21の土田周人さんです。

日本クラブチームラクロス連盟本部は、選手が運営もしています。

副本部長として閉会の挨拶をする土田周人さん

第12回北海道クラブチームリーグ戦には、North AXIS、LATRANS(ラトランス)、ALC HOOTERS(エーエルシーフーターズ)の3チームが出場しましたが、上の戦績表(※)に優勝チームとして名前があるSpaceTravelerS(スペーストラベラーズ)やOrcinus Orca(オルキヌスオルカ) はいまどうなっているのでしょうか。

SpaceTravelerSは1999年に北海道大学OBたちにより創部された道内で最も古いクラブチームでした。土田さんによると、「2019年にNorth AXISが創部された時期に、これまで在籍していたSpaceTravelerSの選手が転勤や引退していったことで人数が減り、リーグ戦には参加できなくなりました」。

また、2012年創部のOrcinus Orcaは、北海道大学の院生チームで2年間だけプレーするためのチームでしたが、コロナ禍を経てこちらも人数が減り、現在リーグ戦へは参加していません。

コロナ禍で受けた打撃をどう跳ね返すか

土田さんは、3チームしかない現状について今後どうしていこうと考えているのでしょうか。

支部化には「4チーム」が必要で、北海道が支部化した2019年度は確かに4チームありました。

順調にいくと思われた2年目の2020年度はコロナ禍で「特別大会」となり、全国的にリーグ戦は行われませんでした。

翌年2021年度はリーグ戦が行われたものの、前年まで4チームだったチーム数が3チームへと減り、2024年度まで3チームで推移しています。

コロナ禍でクラブチームを辞めていく人が増えたことに加え、卒業する大学生も少なく(コロナ禍で入部者数が減少)、2024年度は3チーム合わせても選手は70人くらいしかおらず、「カツカツの運営だった」と土田さんは言います。

北海道支部 閉会式(2024年9月28日撮影)

ただ、明るい兆しも見えています。

エキシビションでの参加でしたが、北海道大学の下級生チームとそのコーチをしている同大院生が1つのチームとして参加していたので、順位には関係ないながらも4チームでリーグ戦ができました。

Orcinus Orcaがもともと北海道大学院生チームだったので、今後コーチだけでなく、Orcinus Orcaの選手としてリーグ戦に参加しないか、北海道支部として働きかけているところです。

開幕戦での北海道大学(2024年7月7日撮影)

副本部長としての1回戦見所も「悲願の北海道支部初勝利」

North AXISは北海道支部で全勝優勝、独り勝ちしているように見えますが、今年の決勝戦ではひりついた試合をしたといいます。

対戦相手であったALC HOOTERSは決勝戦に初出場。元々はベテランが多く在席していましたが、North AXISから移籍した若手選手が加わり、急成長したチームです。ALC HOOTERSがリーグ戦のなかで成長し、決勝戦ではNorth AXISを脅かしました。

道内での競争はクラ選1回戦を突破するための粘り強さを鍛えます。悲願の初勝利も手の届く範囲に来ているのでは、と土田さん。副本部長としての土田さんも「北海道支部初勝利が見所」と答えてくれました。

「日清食品presents第25回ラクロス全日本クラブ選手権大会」1回戦も熱いです。観戦と応援、よろしくお願いいたします。


【チーム詳細】

【プロフィール】

土田周人。2011年3月 北海道大学卒業。2011年~2018年SpaceTravelers、2019年~North AXIS#21 MF。2021年よりクラブ連盟北海道支部副本部長を務める。

 

Photo by 日本ラクロス協会広報部 前田浩一
Text by 日本ラクロス協会広報部 岡村由紀子

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