Columnコラム

【INSIDE JLA】『楽しい』の詰め合わせ、第5回ジュニアラクロス大会

2024年12月7日(土)、東京都・江戸川区臨海球技場にて公益社団法人日本ラクロス協会(以下、JLA)主催「第5回ジュニアラクロス大会」が開催されました。

試合は、U-12、U-10、U-8と3カテゴリあり、ジュニアラクロス選手は、それぞれ該当する年齢の試合に出場します。

参加チーム数は16団体から31チーム、選手は約300名。指導者やコーチ、運営スタッフも含めると総勢600名が集まりました。

活気あふれる会場で、参加の皆さんからたくさんの『楽しい』を集めました。

 

試合結果はJLA公式サイトをご覧ください: 第5回ジュニアラクロス大会結果報告

 

※男の子が「フェイス」、女の子が「ドロシー」。

 

ジュニアラクロスとは:

「小学生」を対象としたラクロスのことを言います。


まずは、ジュニアラクロス選手の声です。

いわきラクロスSchool(福島県いわき市)

いわきラクロスSchool(U-12)のベンチ

得点王になってみたい!

安田 凜(やすだ りん)さん (小6)U-12出場

安田凜さん(青ユニ#12)

ラクロスを始めたきっかけは、お母さんがSNSで体験会があるのを見つけて、「行ってみたら?」と言われたことです。

わたしは2年生からラクロスを始めて、いま6年生なので(ラクロス歴)4年です。

ラクロスの楽しさは、パスをもらって自分でシュートを決めるところ。今日の試合では、どんなに囲まれてもシュートできたことが楽しかったです。

うちのコーチみたいに得点王になってみたいと思っています。コーチはすごくシュートがうまいので憧れています。

 

パスをしてシュートを決めてもらうことが楽しい!

佐藤 亮太(さとう りょうた)さん (小6)U-12出場

佐藤亮太さん(青ユニ#6)

幼稚園のときに一緒だった友だちがラクロスをやっていると聞いて、なんとなく体験会へ行ったらおもしろかったのでラクロスを始めました。

小学2年生のときから始めて、いま6年生なのでラクロスは4年やっています。

ラクロスの楽しいところはパスを回すところ。

チームとしては、最初のころ一人がボールを持つとそのままずっと持っている状態でしたが、最近はパスが回るようになってきたので楽しいです。

自分がパスした相手がゴールを決めてくれると嬉しいです。

今日の試合では、1試合目のときに、凜ちゃん(先のコメントにある安田凜さんのこと)にパスして決めてくれたことが一番嬉しかったことです。

今後やってみたいプレーは、サイドから走ってきて横からパスして決めてもらうことです。

シュートを決めたときの喜びが気持ちよい!

阿部 泰士(あべ たいし)さん (小4)U-12

阿部泰士太さん(青ユニ#8)

(泰士くんは鎌ヶ谷ラクロスSchool(千葉県)所属ですが、小学4年生が一人のため試合に「いわきラクロスSchool(U-12)」選手として出場しました)

鎌ヶ谷市内でスポーツキャンプがあって、そのなかにあった「ラクロス」に参加したら楽しかったのでラクロスを始めました。

始めたのは小学4年生(2024年)の4月からです(つまり、泰士くんのラクロス歴は8ヶ月)。

シュートを決めたときの喜びが気持ちよいです。

今日の試合でできてよかったことは、(インタビュー前)2試合あって3点決めたことです。

Te Verde Lacrosse Club(静岡県浜松市)

Te Verde(テベルデ)のベンチ。Te Verdeとはイタリア語で緑茶のこと

 かっこいいシュートもしたい!

鈴木 琴心(すずき ことこ)さん (小6)U-12出場

鈴木琴心さん(白ユニ#10)

お母さんがスーパーでTe Verde(テベルデ)のチラシを見つけて、練習会へ行ったことがきっかけです。

9歳のときに始めて、いま11歳(小6)なので(ラクロス歴)2年です。

自分はディフェンスが得意なので、ディフェンスで相手がミスしたときやパスカットをしたときが楽しいです。

今後やってみたいプレーはシュートです。それも、かっこいいシュートがしたい!

「涼ちゃんが一番剛速球!」

大橋 涼(おおはし すず)さん (小6)U-12出場

大橋 涼さん(白ユニ#52)

ラクロスを始めたきっかけは、わたしのおばさんがラクロスやっていたからです。

小学3年生から始めて、いま5年生なので(ラクロス歴)2年です。

ラクロスは、試合が楽しいです。

(編集部からの「今日の試合では何が一番楽しかったですか?」に対して、涼ちゃんではなく周りにいるチームメイトから「シュート!シュート!シュート!」「涼ちゃんが一番剛速球!」「涼ちゃんは今日、5点か6点決めてる!」と回答をもらえました。

ちなみに、涼ちゃんは、ラクロスを始めてから、バスケットボールも始めたそうです。

チームメイトから、「めずらしいね。ラクロスが先なんて」と言われていました。)

千葉合同チーム(鎌ケ谷+佐倉+LSC+市原)

パスやシュートが楽しい!

開 詩(ひらき うた)さん (小4)U-10出場

開 詩さん(白ユニ#4)

いつもはバレーボールをしています。今日はバレーボールの練習が休みだったので参加してみました。

試合に出てみて楽しかったところは、パスを出したり、シュートを決めたりすることができたところです。

ラクロスもまたやってみたいと思いました。

(編集部注:詩ちゃんは、お父さんである開歩さん(元VALENTIA選手・現岩倉高校監督)に連れられて本大会に出場しました)

パパとパスキャッチできることが楽しい!

島袋 秀海(しまぶくろ ひでうみ)さん (小2)U-8出場

島袋秀海さん(緑ユニ#10)

パパ(現RAGGAMUFFINS所属・島袋秀隆選手のこと)がラクロスをしているところを見て、自分もやってみたかったからラクロスを始めました。

初めてスティックに触ったのは4歳のときで、ジュニアラクロスチームに入ったのは今年(2024年)9月(8歳)からです。

ラクロスの一番楽しいところは、パパとパスキャッチができるところです。

(パパ談)試合は今回が初参加です。千葉にあるジュニアラクロスの混合チーム(鎌ケ谷+佐倉+LSC+市原)での参加でしたが、所属チームである「ASHIKA KIDS (アシカキッズ)ラクロスクラブ」単体で出られるようにメンバーが集まるといいなと思っています。

JCラクロス(神奈川県横浜市)

JCラクロス(U-12)のベンチ

シュートが決まって、みんなで「やったー!」ってなるところ

塩山 実咲(しおやま みさき)さん (小6)U-12出場

塩山 実咲さん(オレンジユニ#61)

お母さんが(大学生のとき)日本体育大学でラクロスをしていて、JCラクロスの練習会へ行こうと言われたことがラクロスを始めたきっかけです。

2024年の2月か3月からラクロスを始めました。

ラクロスを始める前は、チアダンスと水泳をしていました。いまはラクロスだけです。

今日の試合で楽しかったことは、みんなでパス回しして、ドーンってシュートが決まって、みんなで「やったー!」って喜べたところです。

JCラクロス(U-10)のベンチ。

 ディフェンスをずらしてバックシュートを決めたい!

永井 アリス(ながい ありす)さん (小3)U-10出場

永井アリスさん(オレンジユニ#19)

小学校で遊んでいたときに、体育館でラクロスをやっているのを見て知って始めました。

ラクロスの楽しいところは、みんなのパスがうまく繋がるとき。

今日の試合でよかったことは、パスカットとか、シュートができたことです。

やってみたいプレーは、ディフェンスをずらして、バックシュートをしたいです。

他にやっているスポーツはソフトボールです。ラクロスをやってからソフトボール始めました。

ファン交流ゾーン

続いて、ファン交流ゾーンの様子です。

ファン交流試合ゾーンの様子

開 道(ひらき たお)ちゃん(5歳)

編集部注:たおちゃんは、練習と試合に疲れたのかこの日は「楽しかった?」との質問にコメントなしでした。

後日、たおちゃんのお母様から「たおは、お父さんがジュニアラクロスの練習会へ行くところへくっついて行っては、イノシシのごとく走り回っているようです」とコメントいただけました。どうやら、たおちゃんにはラクロスを楽しんでもらえたようです。

JLA審判員

JLA審判員のみなさん

JLA審判員のみなさんにもジュニアラクロスの楽しさや、普段のリーグ戦との違いをお聞きしました。

金子 剛之(かねこ たかゆき)さん

金子剛之さん

審判員も試合に参加して、選手と一緒に試合を作っていけるところは、ジュニアラクロスだけじゃなく、10人制ラクロスの試合でも楽しいと思うところです。

ジュニアラクロスは、子どもたちが一生懸命ラクロスしている姿や、年々上手になっていく様子を見ることができることが楽しいです。

上手いですよね。シュートのスキルも高いですし。

いろんな子どもたちの良さを、ラクロスを通して感じられるのはよいものだと思っています。

江島 絵美(えしま えみ)さん

江島絵美さん

わたしにも子どもがいるので、子どもと同じ世代の子たちが楽しくスポーツしている姿を見るのが単純に楽しいです。

わたしが大学生でラクロスを始めてから20年以上になりますが、すそ野がひろがっているなと実感できるのがジュニアラクロス試合で審判できるいいところだと思います。

越智 真愛(おち まい)さん

越智真愛さん

わたしはU-8とU-10の審判をしていたのですが、予想以上にみんな上手で驚きました。普段は男子競技の審判をしています。男子競技ではボディコンタクトやボディチェックが魅力ですが、ジュニアラクロスルールではファールとなるので、気を付けて審判をしました。得点が入ってもすぐに次のプレーがスタートするのが、バスケットと似ているなぁと思いました。

矢野 あゆみ(やの あゆみ)さん

矢野あゆみさん

U-8の審判をしました。ラクロスを始めて半年のジュニア選手がディフェンスできているのを見て感動しました。

普段は女子競技の審判をしているので、ジュニアラクロスで男子競技の審判と交流できたことが新鮮でした。

近藤 雄亮(こんどう ゆうすけ)さん

近藤雄亮さん

U-8の審判をしました。ジュニアラクロスのレベルが上がってきているなと感じています。

10人制での審判(男子競技。国際審判の資格もお持ちです)との違いは、応援席の親御さんから「ナイス審判」と声を掛けられたことです。嬉しかったです。

「舞台」があるから裾野が広がる

JLA主催として2019年12月から始まった「ジュニアラクロス大会」。

2019年度にJLAの事業となる前は、各団体がそれぞれの方法・ルールで小学生や未就学児向けのラクロス体験会や練習会、大会を開催していました。

その団体の一つである「東京学芸大学附属世田谷小学校ラクロス部LEONIDS」(以下、LEONIDS)創部に携わった元指導者で、現在は「ジュニアラクロス大会」の運営に深く関わっておられる吉村智宏さんに、第5回を終えての感想をお聞きしました。

元・東京学芸大学附属世田谷小学校ラクロス部 LEONIDS指導者・吉村 智宏さん

ファン交流試合ゾーンで審判をする吉村智宏さん

ジュニアラクロス大会への参加チーム数は、回を追うごとに増えてきています。

こうやってラクロスの練習成果を発表できる「舞台」があることが「普及」に繋がるのだ、ということがはっきりしたと思います。

大会の規模が大きくなるということは、「競争」と「技術の共有」が生まれるということで、毎年、レベルが高くなってきているなと感じています。

ジュニアラクロスのコンセプトは「普及」ではありますが、僕はトップを高くすることも「普及」に必要なことだと思っています。

ジュニアラクロスをやっている選手のなかには、「将来、オリンピックへ出てメダルを取りたい」という子も出てくるでしょう。

ただ、トップを高くすることだけではいけないとも思っています。同じくらい「ラクロスが楽しい」ということも広めたい。自分もラクロスをしてきて(慶應義塾高校・慶應義塾大学ラクロス部OB)楽しいと思ってきたので、色んな人にラクロスを楽しんでもらえる機会を増やしたいと思っています。

裾野を広げて、高い山を作ることが理想で、高い山を作るには、裾野を広げる必要があります。

LEONIDSベンチの様子

ジュニアラクロスの標準ルールに関して、JLA審判部の方々からラクロスの安全性と競技性についてアドバイスをいただき感謝しています。

今回の大会や年間を通じたリーグ戦では、ラクロス経験者ではない親御さんにもジュニアラクロスの審判員やコーチ、運営の手伝いをして頂いています。これをもっと広げてラクロスに関わる人数を増やしていきたいです。

ラクロスをしている子どもを見て、自分もラクロスをしたくなった親御さんがインドアラクロスに参加されるという話も聞いています。

ジュニアラクロスを広げると、お父さんやお母さんもラクロスを好きになってくれます。もしかしたら、おじいちゃん、おばあちゃんもラクロスを好きになってくれるかもしれない。

ジュニアラクロスによって2倍、3倍とラクロスを好きな人が増えると思っています。

ラクロスの「普及」として、ジュニアラクロスはすごいんじゃないかなって思います。

Photo by 日本ラクロス協会広報部 小保方智行

Text by 日本ラクロス協会広報部 岡村由紀子

 

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