Columnコラム

【2025年ラクロス男子20歳以下日本代表対談企画 Volume 1.】岩倉高校から世界へ〜教え子とコーチの5年間〜

2025年8月、韓国・済州島で開催される「2025 World Lacrosse Men’s U20 Championship」に向けて、代表候補選手として挑戦を続ける2人と、チームを支えるコーチとして活動する1人。岩倉高校に縁のある3人による特別対談をお届けします!

高校時代の思い出から、今に繋がるラクロスへの想いまで、たっぷり語っていただきました。

自己紹介 & ラクロスを始めたきっかけ

進行:都築真珠(2025年ラクロス男子20歳以下日本代表広報)


都築:早速、自己紹介の方からお願いできますか?

近藤:近藤浩純です。日本体育大学所属の3年生です。岩倉高校出身で、ラクロス歴は5年目です。現在は23関東ユースとしても活動しております。今は2025年ラクロス男子20歳以下日本代表の、DF(ディフェンス)代表候補選手として選ばれています。

臼井: 日本体育大学に所属しています、臼井祐太と申します。僕も岩倉高校出身で、ラクロス歴は4月で5年目になります。近藤と同じく、23関東ユースとしても活動しております。現在は2025年ラクロス男子20歳以下日本代表の、SSDF(ショートスティックディフェンス)代表候補選手として選ばれています。

水田: 現在FALCONSで選手をしている、水田裕樹です。ラクロス歴は今年で21年目で、2004年、日本体育大学入学当時からラクロスをしています。今年は2025年ラクロス男子20歳以下日本代表のDFのアシスタントコーチをさせていただいているのと、女子のSIXES関東選抜のアシスタントコーチもさせていただいています。岩倉高校でも、2014年からコーチをしています!

都築: 2人(近藤選手と臼井選手)は5年間ずっと一緒にいるんですね。水田さんからすると、とっても可愛い教え子ですかね?

水田: そうですね、可愛いといえば可愛い教え子ですね(笑)。

ラクロスとの出会い

都築: 学生のおふたりは、なんで岩倉高校でラクロスを始めたんですか?

臼井: まず岩倉高校に入学したのは、元々すごく好きだった鉄道関係に就職したかったからです。その中で、鉄道の授業を担当していた先生にラクロス部に誘っていただきました。運動神経は悪いんですけど、ラクロスを体験した時にスポーツで初めて褒められて、それからずっとハマり続けています。

岩倉高校ラクロス部時代の臼井選手

近藤: 僕も岩倉高校にラクロスをしたくて入ったわけではありません。中学までは卓球をしていて、それを続けるかどうか迷っていました。その時に、担任と副担任にラクロスを勧めてもらい、水田さん率いる部員の明るさに惹かれて、入部を決断しました。

お互いの印象は?

都築: 臼井くんは、どんな選手ですか?

水田: 臼井くんは、とても不器用ですね。自分でも不器用って言っちゃうような男です(笑)。

近藤: 臼井は自主練や日々の努力が人一倍できる人です。自分で苦手だと思う部分、非があった部分はとことん改善しようと、周りよりも動けるのが彼の良いところだと思っています。

都築: 周りの状況も自分の分析もして、それに応じた努力ができる選手なんですね。

水田: いや、周りは見えないですね(笑)。

臼井: 最近は周りもしっかり見て動こうと頑張ってます!(笑)

都築: 近藤くんは、部活の雰囲気が良くて入部を決めていたんですね。そのまま、ラクロスが楽しくて続けていたんですか?

近藤:そうですね、そのまま楽しくてどハマりしていました(笑)。

都築: 近藤くんはチームの中でもリーダー的なポジションに立っていて、かなり真面目なキャラという印象を持っていますが、おふたりからするとどうですか?

臼井: ずみ(近藤のニックネーム)は、すごく頭がいいです。考えていることや行動の選択肢が賢いです。僕は単純なことが多いので、違いを感じます。

水田: 要領が良いよね。上手く周りを動かす力がある人です。リーダーに向いていますね。

近藤: 全然真面目じゃないです(笑)。やるべきことはやりますが、抜くところはちゃんと抜きます。

5年間同期として戦い続けている臼井選手(前段左から1番目)と近藤選手(前段右から2番目)

ラクロスの魅力とは?

都築:おふたりともラクロスにハマっていると話していますが、どこに魅力を感じていますか?

臼井: 正直、ラクロスを始めたては苦戦していたのですが、みんなスタートラインが一緒なのが魅力だと思います。なんとなくラクロスができるようになっていって、それが楽しくて。新しくチャレンジできるようになってハマっていきました。

近藤: 新しくて、でもマイナーなスポーツであることがすごく魅力だと思っていて、競技自体がほとんど初心者で始まる中で、どんどん自分の世界が広がっていくのが楽しいです。

水田コーチってどんな人?

都築: おふたりの印象を聞いてきたので、水田さんは学校だとどういう人ですか?

臼井: 今思うと、いわゆる“日体大生”だなと思います。めちゃめちゃ元気で、明るくて、真面目なところもちゃんとあって…たまに水田さんの授業を受けることがあるのですが、周りを巻き込んで授業を楽しませられる先生でした。

近藤: 太陽を具現化した人だと思っています。いつも明るく挨拶してくれる人です。場を明るくしようとしているのが伝わってきます。一人称が「自分」じゃなくて、「みんな」なのが印象的です。

水田: 基本的に、誰にでも平等に接しているかな。ただ、意識してるというより、元々そういう性格ですね。

都築: 水田さんは、大学コーチと高校コーチをどうやって区別していますか?

水田: 高校生には、正直厳しいです(笑)。大学生の方が、割と優しく教えるときは教えますね。高校生は「発破をかけないとできない子」が多いので、「やれよ!」って言っています。大学生は自主性を持っている人が多いので。

都築: 2人とも意外としんどかったりしましたか?

臼井: 正直、1年の頃は結構怖かったです。

近藤: 水田さんのベースの性格は変わらないんですが、ギアが一段階上がる時があるという感じですね。先生の面で厳しいことは全くないですが、スポーツの面ではギアが一段階上がる感覚でした。

都築: 高校時代の水田さんとのエピソード、ありますか?

臼井: クリアの練習中、自分がフリーでもらえるっていう時に全然声を出さずにいたら、練習を止められて、みんなの前で怒られたことがあります。すごく怖かったですね(笑)。当時の僕は「自分が空いてるから普通にもらえるだろ」と思っていたんですが、今思うとチームスポーツでその思い込みはすごく危なかったと思います。愛のある厳しさをくださった先生でした。

日本体育大学でも2021年~2022年でヘッドコーチを務めていた水田コーチ

続ける理由と、大学でのラクロス

都築:大学ラクロスと高校ラクロスの違いは何がありますか?

近藤: 1つは自己管理の部分です。高校生は自己管理がゆるい部分もあると思いますが、大学生は自分のことをちゃんと管理できていると感じます。

臼井: ラクロス面では、ちゃんと「形」があるなと。高校ではスキームがフリーだったけど、大学ではしっかり形が決まっていて驚きました。

水田: 具体的にはどんな規則?

臼井: クリアでフォーメーションがあったり、2−3−2などのセットクリアで上げるとかが、高校時代には全然なかったですね。

都築: 高校ラクロスは、練習試合はどことするんですか?

臼井: 同世代の高校生(慶應義塾高校や海城高校)か、1年生の大学生とすることが多いですね。

都築: 岩倉高校からラクロスを続ける子ってどれくらいいるんですか?

臼井: 僕らの代は5人ですね。

水田: 5人は結構多いですね。関隼哉(2025年ラクロス男子日本代表(4月8日時点))も岩倉高校出身です。去年のスタメンの半分くらい、岩倉出身の子が出ていました。ありがたいことに。日本大学、東洋大学、学習院大学にはOBが結構行っています。昔よりも、大学でも続けてくれる人が増えて嬉しいです。

都築: なぜ2人は続けようと思ったんですか?

臼井: 僕は元々鉄道就職を考えていました。ただ、引退試合で慶應義塾高校と試合をした時、相手がBチームで来ていて、それがすごく悔しくて。その悔しさをバネに、「慶應に勝つ」ことを目標にラクロスを続けています。

都築: 臼井くんはラクロスをするために大学に行ったということなんですね。

臼井: そうですね。

近藤: 僕は元々ラクロスを続けようと思っていました。受験の勉強はしていて、どこの大学にも行ける準備をしていたのですが、スポーツ推薦のお話をいただきました。ただ、推薦だからそこに行くのではなく、しっかりと大学ラクロス部を見学し、「ここで日本一を取る」という覚悟ができた大学に入部しました。

自チームでも勝利に貢献する近藤選手(左)と臼井選手(右)

最後に:それぞれの想いとエール

都築:そろそろ終わりの時間ですが、5年間見てきた水田さんから、彼らに応援メッセージと期待している姿をお願いします!

水田:やっぱり一緒にコーチと選手として戦うというのはすごく楽しみだし、教え子と一緒に世界大会に出るというのは自分の中の夢だったので、今そういう立場に立たせてもらっているのが非常に嬉しいです。ただ、まだメンバーが決まっているわけではないので、岩倉出身で大学も一緒の2人には頑張って欲しいなという気持ちはあります。差別はできないので、頑張ってください!

2人:ありがとうございます!

都築: おふたりは、2025年8月に韓国・済州市で開催される2025 World Lacrosse Men’s U20 Championshipに向けてのモチベーションをお願いします!

近藤:まず大会に対してのモチベーションというところでは、世界と戦える貴重な機会なので、目標としている世界3強を倒すことがいちばんの目標ですし、自チーム以外で成長できる機会なので、しっかりこの経験を経て、自チームでも活躍できる選手になりたいです。どういう形で頑張りたいかという点では、今仮ですけどキャプテンをチームで務めさせていただいていて、チームの先頭にたって引っ張っていきたいと思ってます!

臼井:世代を代表して世界と戦えるというところにまず感謝して、日本代表としての覚悟を持って、世界を圧倒できるように日々の生活を過ごしています。僕は自チームではオフェンスなんですけど、このチームではオフェンス能力のあるSSDFとして起用していただいているので、ディフェンスからオフェンスへの機会を作るということへのこだわりをもってます。アンセットを自分の見せ場にしたいという気持ちがあります。

最後に日本代表を目指す高校生へのエールをお願いします!

近藤:高校ラクロスをまず、楽しんで欲しいです。そして、ラクロス男子20歳以下日本代表の話で言うと、経験者は全然いないです。本当に努力次第で選ばれるので、希望を持って頑張ってください!

臼井:高校生は勉強も大変だと思うのですが、努力すればここまで来れると言うことを現に僕らが証明します。環境を言い訳にせずに、朝いつもより1分でもいいから早く家を出て、壁当てをするなり、クロス触るなり、上手く時間を使ってラクロスに触れる時間を増やせば自ずと結果は出るので、頑張ってください!


<編集後記>

岩倉高校で出会った3人の対談からは、競技を超えた人とのつながりや、ラクロスが育ててくれる心の強さが伝わってきました。

高校時代にかけがえのない出会いがあり、それぞれの選択でラクロスを続けてきた彼ら。今は指導者と選手という立場になっても、変わらないのは「ラクロスが大好き」という気持ちと、お互いを尊敬し合う関係です。

“岩倉から世界へ”

そんな夢を、笑い合いながら語れることの尊さを感じた時間でした。
大舞台に挑む彼らの姿を、ぜひこれからも応援してください!

<大会情報>

8月の世界大会に向け、各練習会で選考を行っており、6月に代表選手の最終決定が行われます。

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