Columnコラム

【Inside JLA】オトナがオトナの遊び場を創るために~日本クラブチームラクロス連盟のめざすところ~


「日本一を目指したい」「年に数回試合ができたらいい」「転勤先にチームがあれば入りたい」。ラクロスへの取り組み方も楽しみ方も様々な人たちが加盟する日本クラブチームラクロス連盟。その多様な在り方を一つにまとめる連盟本部とはどのような場所なのでしょうか。ラクロスという「オトナの遊び場」を創るために奔走する連盟本部を取材しました(全4回)。


第1回 日本クラブチームラクロス連盟のお仕事

2024年5月11日、日本クラブチームラクロス連盟本部役員会(2024年度第2回)が大阪倉庫(大阪市福島区)にて行われ、全国から本部役員が集まりました。どのようなことが話し合われたのでしょうか。

役員会で話し合われたこと

日本クラブチームラクロス連盟(以下、クラブ連盟)とは、全国のクラブチームラクロスリーグ戦(以下、リーグ戦)とラクロス全日本クラブ選手権大会(以下、クラブ選手権)を運営し統括する組織です。

本部役員会の「本部役員」とは、本部長及び副本部長(現在10名)のことを言います。

5月11日に行われた2024年度クラブ連盟本部役員会(第2回)は、コロナ禍の3年間はできなかった対面での会議が4年ぶりに再開し、全国からクラブ連盟本部役員等10名と事務局から2名が今年開設された大阪倉庫に集まりました。

クラブ連盟役員会の様子

ディスカッションはなごやかです

今回話し合われたことは、2024年度リーグ戦開催に向けての各支部進捗と第25回ラクロス全日本クラブ選手権大会の1回戦対戦カードについて等です。

クラブ選手権の1回戦対戦カードについては、これまでの考え方である「1回戦は隣接支部で対戦する」を優先するか、試合会場が東海と関東会場であることを考慮し、「中四国・九州支部と北海道支部の移動距離がなるべく短くなるように」や「出場チームがなるべくホームで試合ができるように」など検討されましたが、「移動距離の問題より、打倒○○支部という考え方が強い」という意見などから、例年通り、1回戦の関東会場は関西と中四国・九州(準決勝は関西会場になる)、名古屋会場は東海と男子は北海道・女子は東日本3位(準決勝は名古屋会場になる)という対戦カードが望ましい、という意見がありました。

議題は多岐に渡ります

各支部が7月の開幕(東日本支部は男子が5月、女子が6月開幕予定)に向けて選手登録・チーム登録を進めるなか、「チーム数が減る可能性がある」支部もあり、リーグ戦の形式を変える必要があった場合の対応についても話し合われました。

「東海の女子チーム数が減るかもしれないが、その1チームは本当にこれまで頑張っていた」と複雑な思いを述べる祖父江真吾さん(東海)

「東海の女子チームが1チーム減って2チームとなった場合、関西支部へ組み込みリーグ戦を行えるよう支部会で話し合ってみます」栗山佳桜子さん(関西)

また、リーグ戦開催のために参加チームとリーグ戦形式、去年の試合結果などクラブ連盟の「今」をまとめたリーグパンフレットの作成もクラブ連盟の大事な役割です。

少し先の野望

クラブ連盟における「全国」とは、北海道(男子のみ)・東日本(男女)・東海(男女)・関西(男女)・中四国・九州(男女)の5支部のことを指します。

公益社団法人日本ラクロス協会(以下、JLA)には、北海道・東北・関東・東海・関西・中四国・九州と7地区に事務局があるので、クラブ連盟においてもいずれ7地区でリーグ戦が開催されることを目指しています。

ただ、既存の支部でもチーム数がなかなか増えないこともあり、すぐに実現するのは難しいことかもしれません。

現在、クラブ連盟の未加盟である東北 (男女)と北海道 (女子)とも将来の連盟加盟を視野に働きかけはしているところです。

「北海道・東北ともチーム数を増やすために東日本(女子)FL秋のワンデイマッチに出場してみないかと働きかけます」森若菜さん(東日本)

多様なリーグ戦が混在するクラブ連盟

クラブ連盟には多様なリーグ戦が存在します。

クラブ選手権へ出場することができる「チャンピオンリーグ(以下、CL)」とクラブ選手権へ出場せずリーグ戦内で完結する「ファンリーグ(FL)」です。

支部によっては、CLとFLにリーグを分けるまでのチーム数がないところもあり、その場合はクラブ選手権へ出場する1つのリーグ戦だけが存在します。

同じFLでも、東日本の女子は明確に順位を決めない春季及び秋季でそれぞれ1日または2日間での開催です(東日本の男子、関西の男子はFL内での優勝を決めます)。

CLが存在する支部でも、東日本の男子のみがCLのなかに1部リーグと2部リーグがあり、入れ替え戦も行っています(東日本の女子と、関西の男子は1部のみ)。

多様なリーグ戦の在り方は、これまでの各支部の選手たちが「自分たちがやりたいラクロスはこれだ」「こうやって遊びたい(ラクロスをしたい)」と主張し、クラブ連盟とともに工夫し実現させてきた結果なのです。

「グラウンドが足りないので試合形式を変えていく必要がある」。5支部のなかで唯一チーム数が増えている東日本(男子)の家石聖さん

今回の役員会でも、各支部でチームから出されたたくさんの要望が持ち寄られ、なんとか実現に向けて動きたいのだが、全部は飲めないというせめぎ合いが報告されていました。

オトナの遊び場だからこそできる

クラブ連盟本部役員は、普段は別の仕事をしていて、リーグ戦では選手や審判をしています。そこにプラスして、役員としてリーグ戦やクラブ選手権を運営しています。

こんな大変なことをなぜやれているのだろうか、と取材を終えてずっと考えていたのですが、「壮大な遊び場を創っているからだ。遊び場を創るためなら人は頑張れる!」とはたと気づき、ラクロスに携わるオトナ全員に対して尊さを覚えました。

次回は、そんな尊いオトナたちのなかでも2005年度から2023年度まで19年間クラブ連盟本部長を続けてこられ、2024年度からは本部長補佐に回られた布施昌也さんにお話を伺います。

第3回では2024年度から本部長に就任された原健太郎さん、第4回では5支部のなかで唯一CL2部リーグがある東日本(男子)からDESAFIOの太田優選手にお話を伺います。

自分たちで遊び場を創るオモシロさをお伝えしたいと思っています。

Text by 日本ラクロス協会広報部 岡村由紀子


【MODEL】

(左から)遠藤太郎さん(JLA事務局長補佐)、祖父江真吾さん(副本部長/東海等担当)、家石聖さん(支部長/東日本男子)、原健太郎さん(本部長)、今川耕平さん(前副本部長/関西等担当)、布施昌也さん(副本部長/本部長補佐)、新良貴龍太さん(副本部長/中四国・九州等担当)、土田周人さん(副本部長/北海道等担当)、所 珠加さん(副本部長/中四国・九州等担当)、栗山佳桜子さん(副本部長/関西等担当)、森 若菜さん(副本部長/東日本等担当)

 

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